株式会社だいずデイズ

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第12回 糖質制限食を食べ続けても問題はない

前回、タンパク質の摂取に、マルヤナギさんの蒸し大豆や、
だいずデイズさんの「スーパー発芽大豆」をお勧めしました。
タンパク質は、大変重要な栄養素なので、効果的に摂取できる蒸し豆を食べない手はありません。

ところが最近、糖質制限食に対して
「タンパク質の摂り過ぎは腎臓の障害を引き起こす」と言った内容の批判が多々見られます。
この批判について検証してみましょう。

前回、前々回と書きましたが、糖質制限食を実践すると、相対的に高タンパク食となります。
なので、『高タンパク食を食べ続けると腎臓が悪くなる』といった批判をする方が出てくるのです。
残念ながらこの方達は、腎不全の人と腎機能正常の人を混同しておられますね。

確かに、過去の文献では、既に何らかの要因で腎機能障害が生じている人が高タンパク食を食べると、
腎機能障害が進行しやすいと報告されてきました。
しかし、腎機能正常の人が高タンパク食を摂取して腎臓が悪くなるというエビデンス(根拠)はありません。
従って、腎機能が正常の糖尿人が 糖質制限食(高タンパク食)を食べても、全く問題はありません。

歴史的にみても、イヌイットは伝統的な食生活を守っていたころは、
生肉・生魚が主食で、高タンパク・高脂質食(スーパー糖質制限食)ですが、
腎不全が多いという報告は一切ありません。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準2010年版」においても、
タンパク質摂取の上限(耐容上限量)は設定されていません。その根拠として、次のように書かれています。

「タンパク質の耐容上限量は、タンパク質の過剰摂取により生じる健康被害を根拠に設定されなければならない。
しかし現時点では、タンパク質の耐容上限量を策定し得る明確な根拠となる報告は十分には見当たらない。
そこで、耐容上限量は設定しないこととした」

繰り返し強調しますが、「腎機能正常の人が、高タンパク食で腎臓が悪くなる」というエビデンスは、
現時点で認められないというのが、科学的認識なのです。

さらに加えますと、
日本腎臓病学会は「CKDガイド2012年」において、
GFR:60ml/分以上(※1)なら、タンパク質制限食の必要なしと明言しました。
日本糖尿病学会も、2013年3月の提言で「CKDガイドに従う」と述べました。
すなわち糖尿病腎症第3期Aまでは、腎臓病学会、糖尿病学会ともに、タンパク質制限食は必要ないという見解です。
これまで腎臓病学会は、血液検査で腎機能障害(腎不全)がある場合、低タンパク食を推奨してきました。
また糖尿病学会でも、糖尿病腎症第2期(早期腎症期)から、低タンパク食を推奨してきました。
しかしながら、これらの推奨のエビデンスレベルはかなり低く、明確な根拠は無かったのです。

また、米国糖尿病学会(ADA)は、
Position Statement on Nutrition Therapy(栄養療法に関する声明)
Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版
において、糖尿病腎症患者に対する蛋白質制限の意義を明確に否定しました。
根拠はランク(A)ですので、信頼度の高いRCT研究論文に基づく見解です。

このように、『高タンパク食を食べ続けると腎臓が悪くなる』という批判にはなんの根拠もなく、
過去常識となっていた「タンパク質制限」も、ことごとく覆っています。
なのでこの連載をご覧になっている皆さん、
どこかの雑誌や新聞でこのような批判があっても、安心して糖質制限食を続けてくださいね。

なお、腎障害にも個人差があります。
腎障害をお持ちの方は、主治医とよくご相談の上、糖質制限食を実践してください。

さて、この連載は、今回で最終回となります。
振り返ってみると長かったようで短かったこの1年、皆さんお付き合い頂きましてありがとうございました。
マルヤナギさん、だいずデイズさんとは、これからも末永くお付き合いさせて頂ければと思っていますので、
他の企画でお目にかかれる日が来るかも知れません。

ではまたその日まで。

江部康二

※1)GFR( glomerular filtration rate)
糸球体ろ過量。1分間に糸球体でろ過される血しょうの量。腎機能を示す数値のひとつ。