脂肪やアブラと聞くと、あまりいいイメージをお持ちにならない方も多いかと思いますが、
脳は60%が脂肪でできています。
そして、脂肪は脳にとっては欠かすことのできない大切な栄養素です。
もし、脳内で脂肪が不足すれば、情報伝達のスピードが落ち、頭の回転が鈍くなります。
そして成長期の子供でしたら脳内の神経細胞の発達にも影響を及ぼします。
そもそも、脂肪は大きく分けると2種類に分類されます。
ひとつは植物油や魚油に多く含まれる不飽和脂肪酸。
もうひとつはラードやショートニング、マーガリンに含まれる飽和脂肪酸です。
脳に良いのは前者ですが、不飽和脂肪酸はさらにオメガ3系(n-3系)脂肪酸、
オメガ6系(n-6系)脂肪酸、オメガ 9系(n-9系)脂肪酸に分類されます。
オメガ9系列のオレイン酸はアボカドやオリーブ油、菜種油、ナッツ類に多く含まれ、
体内で合成することも可能ですが、オメガ3系とオメガ6系の脂肪酸は
体の中で合成されないので、食べ物で摂る必要があります。
オメガ6系の主な脂肪酸はリノール酸でコーン油、大豆油、ごま油に含まれます。
オメガ3系の主な脂肪酸はリノレン酸でアマ二油、エゴマ油、緑黄色野菜、青魚に含まれ、
体内で脳に良いアブラとして広く一般に知られているDHAやEPAをつくります。
このオメガ3系のアブラは特に育脳にとっては重要です。
子供の脳の発達のためには妊娠中から摂りたい栄養素でもあります。
不足をすると神経組織や免疫機能の発達に影響が出てきて、
一生を通じて情緒や学習能力、免疫のトラブルを起こす危険性も大きくなります。
成長してからも知能指数が低くなる危険性も。
そして脳細胞には、このオメガ3が多く含まれていることもわかっています。
また、オメガ3を多く含むことで神経細胞内の神経伝達物質の動きがスムーズになり、
記憶力や集中力アップにつながります。
やはり育脳を考えると、オメガ3を十分に補給することが大切で、
子供のみならず高齢者の認知症予防にも有効です。
最近は、家庭で青魚を食べる機会も減ってきているようですが、
さばやさんまの缶詰やイワシのつみれ、魚肉ソーセージでも
DHA、EPAを摂取することができますから、上手に食卓にとり入れてみて下さい。
また、蒸し豆にはオメガ6系のリノール酸が多く含まれ、
コレステロールを下げたり、脂肪代謝、抗酸化を促し脳の血流をよくしてくれます。
一緒に食べ合わせることで、脳への効果も期待できます。
発芽大豆はそのままおいしく食べられますから、
さばの味噌煮缶詰に発芽大豆、プチトマト、サラダハーブやナッツを混ぜた
即席サラダは調理の手間もかからず、おすすめです。