小山浩子先生コラムvol.9 育脳に大切なたんぱく質のおはなし
小山浩子(こやま ひろこ) 料理家/管理栄養士/フードビジネスコーディネーター
大手食品メーカー勤務を経て2003年フリーに。
料理教室の講師やコーディネイト、メニュー開発、栄養コラム執筆、NHKをはじめ健康番組出演等幅広く活動。料理家としてのキャリアは20年以上。これまでに指導した生徒は5万人以上に及ぶ。
著作も多数あり、『目からウロコのおいしい減塩「乳和食」』(主婦の友社)で 2014年グルマン世界料理本大賞イノベ―ティブ部門世界第2位を受賞。
健康と作りやすさに配慮したオリジナルレシピを多数考案。日本で唯一のミルク料理研究家でもあり、メディアで話題の乳和食の発案者でもある。
【 テレビ出演歴 】
TBS「はなまるマーケット」/ NHK「生活ホットモーニング」/ 日本テレビ「ヒルナンデス」/ フジテレビ「スーパーニュース」※管理栄養士としてレギュラー出演 など
【 書籍他 】
「頭の良い子に育つ育脳レシピ」日東書院発行 / 「暮らし方がかわる! おうちでごはんを愉しむIHクッキング」小学館発行 他多数
脳の4割はたんぱく質でできており、
脳の働きの中心である神経細胞や神経繊維の主成分もたんぱく質です。
不足すると脳の発達や働き自体に影響を及ぼします。
成長期には、大人に比べて2割以上必要になります。
そして、たんぱく質の摂り方は量より質が大切です。
とくに頭の回転をよくし、より働きを高める為には、必須アミノ酸をバランス良く含んだ
質の良いたんぱく質(アミノ酸スコアが100に近いものほど良質)と
体内でたんぱく質の代謝をためにビタミンB6を含む食品との食べ合わせが理想です。
ただし、アミノ酸バランスがいいからと言って動物性のものに偏ると、
体内が酸性にかたむき、腸内では善玉菌が減り、免疫が落ちて、
疲れやすい体質になり次第に脳の働きも鈍くなります。
必ず、植物性のたんぱく質も摂るようにしましょう。
蒸し豆等の大豆や大豆製品は植物性食品の中ではアミノ酸スコアが高く、
手軽に摂れることもありおすすめです。
大豆製品は、体をアルカリ性にしてくれ、
たんぱく質の代謝に必要なビタミンのB群も含みます。
カルシウムも多いので、脳の栄養として体内で大いに役立ちます。
ここにプラスして、お酢、野菜、海藻、きのこ類、果物を摂ると、
血液の循環が良くなりさらに脳が活性化されます。
こどもの好きなハンバーグやカレーなら、蒸し豆を加えても美味しく食べてくれます。
そこに野菜サラダやフルーツを付け合せれば育脳ごはんになりますよ。
必須アミノ酸とそのはたらき
| 必須アミノ酸
|
主な働き
|
多く含む食品 |
| イソロイシン |
- 成長を促進する
- 神経の働きをよくする
- 血管の拡張する
|
子牛肉、鶏肉、牛乳、プロセスチーズ、鮭など |
| ロイシン |
|
肉類、乳製品のほか、多くの食品に広く含まれている |
| リジン |
|
肉、魚介類、卵、牛乳、チーズ、豆類、大豆製品など |
含硫アミノ酸
(メチオニン+シスチン) |
- 有害物質から体を守る(シスチン)
- 鬱症状を改善する(メチオニン)
|
牛乳、肉、全粒小麦、オートミールなど |
芳香族アミノ酸
(フェニルアラニン+チロシン) |
|
動物性蛋白質食品、大豆製品、種実類など |
| スレオニン |
|
卵、脱脂粉乳など |
| トリプトファン |
- 睡眠障害を改善する
- 脳の働きをよくする
- 鬱症状を改善する
|
牛乳、チーズ、卵黄、大豆製品、ナッツ類など |
| バリン |
|
子牛肉、チーズのほか、多くの食品に含まれている |
| ヒスチジン |
|
子牛肉、鶏肉、ハム、チェダーチーズなど |
たんぱく質を含む食品のアミノ酸スコア
アミノ酸スコアとは、それぞれの食品が人体に理想的な必須アミノ酸の
構成パターンにどれだけ近いかをみて、栄養価を判定したもの。
数値が100に近いほど良質です。
| 食品名 |
アミノ酸スコア |
食品名 |
アミノ酸スコア |
食品名 |
アミノ酸スコア |
| 鶏卵 |
100 |
鶏肉 (むね) |
100 |
牛乳 |
100 |
| 鶏レバー |
100 |
プロセスチーズ |
91 |
精白米 |
65 |
| アジ |
100 |
小麦粉 |
44 |
イワシ |
100 |
| とうもろこし |
32 |
サケ |
100 |
ジャガイモ |
68 |
| アサリ |
81 |
大豆 (全粒) |
86 |
イカ |
71 |
| もめん豆腐 |
82 |
エビ |
84 |
ほうれんそう |
50 |
牛肉 (サーロイン) |
100 |
トマト |
48 |
豚肉 (ロース) |
100 |
| みかん |
50 |