普段食べているもののカロリーや糖質がどのくらいか、知っていますか?
美容や健康のために意識することも多いことですが、意外ときちんと知らないことも。
低カロリーで食物繊維が豊富な豆類は、食生活を見直したい!という女性にも注目されます。
国内外を問わずファッションモデルをはじめ、美容や健康に感度が高い人が普段の食事に豆製品を取り入れているのも見かけます。
今回は、そんなお豆を使ったヘルシーな食事方法、おすすめの摂り方や知識をご紹介させていただきます!
一言で豆といっても、世の中にはたくさんの種類の豆が存在します。
その中でも私たち日本人になじみが深い豆類といえば、「大豆」ではないでしょうか?
大豆といえば、納豆、豆乳、おから、蒸し大豆など様々な加工食品があり、普段何気なく食べています。
驚くことに、「豆腐」は海外セレブの間でも話題になっているのです。
でも実は、豆腐は本来大豆がもっている栄養成分の一部がなくなってしまっています。
その理由は「おから」にあります。
豆腐は作る過程でおからを取り除いてしまうので、食物繊維や大豆サポニンなどの栄養成分が減ってしまうのです。
せっかくなら、大豆のいいところを全部摂りたい・・・。
そこでおすすめしたいのが、納豆や、蒸し大豆のような大豆をまるごと摂る製品。
それぞれの100gあたりのカロリーや糖質量を見てみると、下記のようになっています。
まるごと大豆食品 | ||||
納豆 |
蒸し大豆 |
豆乳 |
おから |
|
カロリー | 200kcal | 205kca | 46kcal | 111kcal | 糖質 | 5.4g | 5.0g | 2.9g | 2.3g |
食物繊維 | 6.7g | 8.8g | 6.7g | 11.5g | 大豆オリゴ糖 | 1.86g | 0.79g | 0.42g | 0.50g |
(日本食品標準成分表2015(七訂)、日本食品分析センターより)
ちなみに白米のカロリー168kcal で糖質は36.8g。
カロリーだけで蒸し大豆と比較すると、さほど差はありません。
ところが、ポイントは糖質の量です。
その違いは歴然で、蒸し大豆のなんと7倍以上もの糖質量が。
体内に取り込まれた糖質は私たちのエネルギーとなります。しかし、過剰に摂取すると、余った糖質は脂肪として蓄えられます。
つまり、同じようなカロリーでも、大豆より白米のほうが圧倒的に太りやすいということです。
ついついカロリーを気にしてしまいがちですが、大事なのはカロリーだけではありません。
1つ1つの栄養素も見る必要があるのです。
栄養素まで確認することで、それぞれの食品が私たちの体に与える良い影響をきちんと把握できます。
美容と健康に気をつける方は、大豆に含まれるたくさんの栄養素のことまでを把握しているのかもしれません。
食事の摂取カロリーを極端に減らすなどの、偏った食事法をしてしまう人もいますが、
骨や血を作る栄養素、体の機能を維持するための栄養素はバランスよく摂らなければなりません。
低カロリー、低糖質の食事を実践しながら、バランスよく栄養を摂るためのポイントをまとめていますので、確認してみてください。
3食のうち1食か2食の主食を豆腐に置き換えるのがおすすめです。
注意点は、置き換えによる炭水化物の不足です。
炭水化物は、体を動かすときや考える際のエネルギーになる大切な栄養成分です。
夕食だけや、朝食と夕食というように決めて行いましょう。
価格も手ごろで、いつでも手に入るところが◎。
他のおかずは普段どおりに食べられるところも、ストレスがなくていいですね。
ただし、食物繊維が含まれていないことや、加工時に添加物が使用されている場合があるので
良いものを選びたいところです。
方法としては、1日1パック、食事の20~30分前に納豆だけを食べます。
納豆にはナットウキナーゼという成分が含まれていて、様々な面で注目されています。
発酵食品は腸内の善玉菌を元気にしてくれることも注目ポイントです。
1日1パックなら簡単に続けられそうですね。
でも納豆の独特のにおいが苦手という方にはつらいかもしれません。
蒸し大豆はおやつとしても食べらるので、手軽でおススメです。
空腹でポテトチップスやチョコレートなどを食べてしまいがちな人は、蒸し大豆に置き換えましょう。
また、豆ごはんにしたり、サラダやスープにトッピングしたり、アレンジできるレシピもたくさん。
1日50g程の蒸し大豆を数回に分けて摂るのがおすすめです。
さらに、蒸し大豆で一番嬉しいポイントは「大豆オリゴ糖」。
オリゴ糖は腸内の善玉菌の餌になってくれるうれしい成分です。
納豆は、発酵過程でオリゴ糖がなくなってしまいますが、蒸し大豆には100gあたり1.42gのオリゴ糖が含まれています。
1日に必要なオリゴ糖は大人で3~5gと言われています。
蒸し大豆には大豆オリゴ糖の他にも、様々な栄養成分が含まれています。
それらの栄養成分を詳しく紹介させていただきます。
肉や魚が減ると、たんぱく質が不足してしまいがち。筋肉が減り、代謝が落ちてしまいます。
筋肉を減らさないためには、タンパク質をしっかり摂ることが大切です。
「畑の肉とも言われる大豆」だけあり、
蒸し大豆には100gあたり16.6gという豊富なタンパク質が含まれています。
タンパク質が豊富な肉類は、同時に脂質もたくさん摂ってしまいがちですが、大豆なら、脂質を抑えながら、タンパク質をしっかり摂ることができます。
大豆イソフラボンは女性ホルモンのエストロゲンに近い構造をもつことで同じ様にはたらきます。
エストロゲンは20代のピークを境に減少し、
更年期(40代後半~50代前半)に入ると一気に減ってしまいます。
先ほどお話したとおり、蒸し大豆に含まれるオリゴ糖は、腸内で善玉菌のエサになります。
腸内にオリゴ糖があると、善玉菌が元気になることで腸内環境が整うという仕組みです。
普通に生活しているだけでは、40歳頃から腸内細菌のバランスは徐々に乱れていきます。
善玉菌の代表として有名なものはビフィズス菌。
ヨーグルトであれば、ビフィズス菌がどれだけ入っているかが表記されています。
毎日摂るのであれば、無糖のヨーグルトに蒸し大豆をトッピング。
蜂蜜を加えて、オリゴ糖をさらにプラスすれば、健康デザートの完成ですね。
大豆の食物繊維の含有量は、他の野菜と比べてもトップクラス。
食物繊維は、「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」の2つに分けることができます。
このうち大豆に多く含まれているのは、不溶性食物繊維です。
不溶性食物繊維は、水分を吸収して数倍にも膨れます。
これが腸内を刺激してぜん動運動を活発にします。
さらに、便のかさを増やして柔らかくして排便を促進し、便秘予防に役立ちます。
また、食物繊維を多く含む食品では、自然と噛む回数が増えるます。
早食いを防ぐことで満腹感が得られやすく、食べ過ぎ防止にも役立ちます。
サポニンとは、豆類や植物に存在する苦味や渋味成分のひとつです。
特に大豆には多く存在しており納豆にも含まれています。
大豆サポニンは、今後の研究が期待されている成分の1つです。
カリウムはナトリウムとともに、細胞内の水分の量を一定に保ち、
生命維持に欠かせない重要な栄養成分です。
塩分の摂りすぎなどで、血液の塩分濃度、つまりナトリウム濃度が高くなると、
血液の塩分濃度を下げるために血管のまわりには水分が集まります。
この水分が集まりすぎると、行き場がなくなった水分を含んで、膨らんだ細胞ができてしまいます。
これがむくみの原因です。
カリウムは、ナトリウムと拮抗し、体にたまった余分な水分を細胞外へ引き出し、尿として排泄します。
野菜や豆類、肉、魚、海草、乳製品など多くの食材に含まれているので、基本的には不足しにくい栄養成分です。
しかしストレスやアルコールなどで失われやすいので、注意する必要があります。
大豆には、ほうれん草(生 690mg/100gあたり)と同じくらい豊富にカリウムが含まれています。
大豆にはビタミンB1、B2、ビタミンK、ビタミンEなどビタミンの種類も量も豊富に含まれています。
1つ注意しなければいけないことは、ビタミンB群は水溶性のビタミンということ。
つまり、ゆでたりする水の中に溶け出してしまいます。
例として、大豆をゆでた水煮大豆のビタミンB1は0.09mg/100g。ビタミンB2は0.05mg/100g。
蒸し大豆は水溶性の栄養成分の流出を最小限に抑えているので、
ビタミンB1で0.14mg/100g。ビタミンB2で0.09mg/100gと大きく差があります。
同じ大豆でも、食品の選び方や調理の仕方には気をつけましょう。
大豆には女性に欠かせないビタミンが豊富♪たべるのが進みますね!
レシチンは、大豆や卵、肉類等に含まれるリン脂質。
細胞膜の主要な構成成分で、体にとても重要な成分です。
たまごからとれたものは「卵黄レシチン」、
大豆からとれたものは「大豆レシチン」というように区別されています。
大豆レシチンは卵や肉類からとれたレシチンとは違い、コレステロールを含まないのが特徴です。
また、水と油を混ぜ合わせる乳化作用や、酸化防止作用などがあります。
レシチンの乳化作用は脂溶性ビタミンのビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKの
吸収も助けてくれます。
マグネシウムは現代の日本人の食生活では特に不足しやすい栄養成分。
身体のほぼすべての酵素反応の補助因子となっており、
生命の活動を維持するため欠かせない栄養成分です。
1日に必要な量は、男性で340mg、女性で270mgです。
豆腐を作るときに使われるにがりの主成分はマグネシウム。
そのため豆腐にもマグネシウムが含まれています。
豆腐以外にも、蕎麦や大豆、ほうれん草などにマグネシウムが多く含まれています。
ヨウ素が多く含まれているのは海草類や魚類などの海の恵み。
海に囲まれ、海洋資源が多く手に入る日本人は、
ヨウ素過剰気味であり、不足する心配はほとんどありません。
健康な身体では、ヨウ素は過剰に摂取しても体外に排出され、健康被害はありません。
しかし、慢性的な過剰摂取は甲状腺ホルモンの過剰分泌による異常につながる恐れも。
(日本人のヨウ素の1日あたりの上限摂取量は3mgです。
たとえば昆布1gには、1mgのヨウ素が含まれています。)
日本は長寿の国といわれていますが、バランスのよい日本食の影響が少なからずあるといえます。
古くから様々な料理に使われてきた大豆もその1つです。
大豆には脂質、食物繊維、カリウム、マグネシウム、鉄、ビタミン類、葉酸など、
様々な栄養が含まれ、天然のマルチサプリともいえる食品です。
豆腐、納豆、豆乳、蒸し大豆など、それぞれに健康や美容につながる栄養があり、特徴も様々です。
自分にあった方法で健康的な食事に徐々にシフトしていくのがGOOD!
食事の改善で肝心なことは、キープし続けること。
「一時的に何かを食べない(制限する)」ことではありません。
そのためには無理しすぎないこと、我慢しすぎないことも大切。
無理なく、自然に食事改善できることが一番の理想ですね。