現在日本に出回っている大豆は、94%程度が外国産。ほとんどが農薬や化学肥料で育った大豆です。
流通している国内産大豆はわずか6%ほど。
しかも、その中で有機栽培という大豆は、かなりの希少品だそうです。
有機栽培では、使える農薬が限られるため、
栽培者の強い思いをもって育てられて葉っぱについた虫は一つひとつ、手でつぶして駆除しています。
手間をかけてでも大切に育てたいという思いが必要なのです。
大豆には3つの栽培方法があります。
有機農産物とは「化学的に合成された肥料及び農薬の使用を避けることを基本として、
播種又は植付け前2年以上(多年生作物にあっては、最初の収穫前3年以上)の間、
堆肥 等による土作りを行ったほ場において生産され、
国で定められた基準(有機JAS規格)を満たした物が「有機農産物」と定義づけています。
大豆の場合、同じ畑で複数回栽培すると、土壌の栄養成分などが減少するため、
通常は前年にジャガイモなど、別の作物を栽培していた畑で耕作します。
そのような畑も含めて、3年以上化学合成された肥料や農薬が使われていない場合のみ、
有機栽培と呼ぶことができます。
環境への負荷が低減し、付加価値の高い農産物を生産していけるというメリットがありますが、
その反面、周辺農家の理解を得る必要があり、効率性が低く多収が難しいことや、
病害虫や天候の影響を受けやすく収量が安定しにくいといった不安点もあります。
特別栽培とはその農産物が生産された地域の慣行レベル
(各地域の慣行的に行われている節減対象農薬及び化学肥料の使用状況)に比べて、
節減対象農薬の使用回数が50%以下、化学肥料の窒素成分量が50%以下で
栽培された農産物のことです。
無農薬・無化学肥料であっても有機農研などの農水省の認定機関により認証を受けていない場合は、
特別栽培と謳うことができません。
慣行栽培とは、一般に行われている栽培方法で、
病虫害の駆除・防除および除草のために農薬を使用し、
生育促進および収量増加のために化学合成肥料を主に使用します。
栽培方法の違いにより価格面と生産量に差が生じます。
みなさんも既にお気付きかもしれませんが、
有機栽培は化学系の農薬や肥料が使えないため草取りや虫取りを始め、
多岐に渡る農作業の手間暇が多くかかってしまい、
その分コストが上がってしまいます。
また、有機栽培は手間暇がかかるため大量生産することは難しいとされています。
図で表すと下記のようになります。
有機栽培は、たい肥などで土づくりを行うことから始まります。
化学肥料や農薬を使用せず、3年以上経過した健康な土で栽培を行います。
有機栽培を行い「有機農産物」として認められるには、国で定められた基準(有機JAS規格)を満たさなければいけません。
土づくりだけでなく生産過程に多くのルールがあり、それを守り、認められて、
初めて「有機農産物」と呼べることになるのです。
近年は、「有機」という表示を多く目にするかと思いますが、明確な基準があり、
それに基づいて生産していることを示す証なのです。